慢性腎不全は、気が付くのがとても難しい病気です。

高齢になった犬に多い慢性腎不全は、ゆっくりと進行するので気が付きにくい病気です。健康そうに見える犬の体の中で既にその兆候が起こっていることがあります。そこで愛犬の慢性腎不全の初期症状を見逃さないために血液検査をお勧めしたいと思います。

慢性腎不全て、どんな病気?

腎臓の機能が70~75%失われた状態が慢性腎不全です。腎臓は、主に血液の中の老廃物をろ過し取り除く働きをしていますからその腎臓の機能が落ちてくると、老廃物を上手くろ過することが出来なくなります。そのため、老廃物に含まれる毒素が少しづつ犬の体に溜まり健康を害して行きます。

慢性腎不全になると、どんな症状が出るの?

ろ過機能が低下することで薄い尿を多量にするようになるため水を飲む量が急に増えてきたり、常にぐったりとし寝て過ごすことが増えたり、食欲が落ちたりするなどの症状が現れます。ただ腎臓は30%くらい機能していると正常に働いてしまい上記のような症状が現れ難いため、とても気が付きにくいやっかいな病気と言えます。

血液検査のこの数値に注目!

血液検査を受けたら、沢山ある項目の中からBUN、クレアチニン、P(リン)の数値に注目してみましょう。腎臓の機能が落ちてきているとろ過しきれなかった老廃物の中の有毒物質(酸、アンモニア、他)が血中に流れだし血中のこれらの物質が増えることでBUN、クレアチニンの数値が上昇します。

血液検査以外ではどんな検査で慢性腎不全がわかるの?

血液検査の他に、尿検査によっても腎臓の機能低下を知ることが出来ます。尿検査において注意したいのは、タンパクとブドウ糖の数値です。腎臓の機能が衰えてくると尿中にタンパクが多くみられるようになります。また、通常では検出されないブドウ糖も腎臓の機能に異常があると検出されることがあります。

慢性腎不全と診断されたら注意することは?

腎臓の機能は一度失われてしまうと元に戻すことは出来ません。ですから、早期発見が大切なのですが、既に慢性腎不全にかかってしまった場合には、主治医と相談して投薬を受けたり、食事の内容を改善することで現状を維持することは出来ます。また、飲水量が増えるので清潔な水が常に飲めるようにしてあげることも大切です。

人間も犬も年齢とともに食欲が衰えたり、疲れやすくなりますが、年齢だからと諦めてしまう前に、血液検査を受けて慢性腎不全であることがわかれば、この病気と上手に付き合いながら、あなたの愛犬に快適な老後の生活を送らせてあげることが出来ることがお分かりいただけたでしょうか。最後までお読み頂きありがとうございました。

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