骨折

骨折とは何らかの力によって骨の構造の連続性の一部、または全部が絶たれた状態です。
近年は、室内飼育のわんちゃんが増えており、室内での落下事故による骨折が非常に増えています。このコラムを読んでいる方の中にも小型犬を飼われている方は多いのではないのでしょうか。今回は室内でも起こりうる骨折について、予防なども含めてお話ししたいと思います。

骨折の原因

骨折は原因により、外傷性骨折と病的骨折に分かれます。

●外傷性骨折

わんちゃんでは、交通事故や落下など、強い打撲が原因で発生することが最も多い原因です。この場合の落下は、ソファーや椅子などからの転落事故や、飼い主さんが抱っこしていて落としてしまうという事故なども含まれます。また、小型犬ではわんちゃん同士の喧嘩によって起こることもあります。

●病的骨折

くる病や骨腫瘍、骨の感染症、その他栄養障害などが原因になって、軽い力でも簡単に骨折することがあります。これを病的骨折といいます。

こんな症状は骨折の疑いがあります!

骨折した場所によって特有の症状が出ることがありますが、一般的に、以下に挙げる症状が出ます。
●事故の直後から、痛がり、歩けなくなる
●腫れて熱感があり、内出血などを伴っている
●(四肢の場合)変な方向に曲がっている
●(背骨や骨盤の場合)後足や腰の痛みだけでなく、麻痺や排便排尿の困難を伴うことも

骨折したかも…と思ったら

まずはかかりつけの動物病院に連絡を取り、指示を仰ぎましょう。かかりつけの動物病院が休診日だったり夜間の場合には、救急病院に連れていきましょう。もし、病院に連れて行けない場合には、わんちゃんをなるべく安静に、動かないようにしてください。
この時、骨折を確認しようとして、骨折してそうなところをむやみに触ることは絶対にやめましょう。血管や神経を傷つけてしまい、余計に悪くしてしまう可能性があります。

合併症

特に外傷性骨折の場合には、神経や血管、筋肉など、周りの組織に合併症が起こります。神経や血管がダメージをけることで、血液が通わなくなり、筋肉や骨折部位の骨の組織が死んでしまいます。処置が遅れると、骨折した骨が治癒すべきに日数を過ぎても、治癒しない状態になってしまうこともあります。

予防

わんちゃんの骨折は、事故による外傷性骨折が大部分を占めています。散歩に行くときは必ずリードし、ワンちゃんが自由に歩けないようにしましょう。また、大きい通りを歩く時や道を横断するときはリードを短く持つようにするのも大切です。
室内での落下事故は、子犬や若いわんちゃんに多くみられます。 子犬は突発的に思わぬ動きををすることがあります。子犬を抱っこする時は十分な注意をして下さいね。特に小さなお子さんが抱っこする場合や、ご家族以外の子犬に慣れていない方が抱っこする時には、注意を喚起してあげることが予防につながります。また、椅子やソファーなど、高いところには上らないようにする工夫も必要です。プードルやパピヨン、ポメラニアンといった小型犬は脚も細く、40~50cmほどの高さから落下しても、落ち方によっては骨折してしまいます。

まとめ

ここまで、骨折の中でも多くみられる外傷性骨折を中心にお話をしてきました。読者の方にも、室内で小型犬を飼われている方は多いと思います。室内での骨折も事故です。しかし、ちょっとした注意で防ぐこともできる事故なんです。かわいい家族を事故から守ってあげるためにも、注意して生活してくださいね。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連する記事

獣医師が解説「犬のオナラ」:くさ~いニオイには要注意!?オナラのあれこれまとめ

犬もオナラをします。プッと音を立てたり、音はしなかったけどぷーんと臭ってきたり。くさ~いオナラは体調不良が原…

本間獣医科病院 / 819 view

獣医師が解説「フィラリア」:予防こそが最善の策!感染すると治療に危険や負担を伴う怖い…

フィラリアは蚊に刺されることでうつり、わんちゃんにとって、とても重要な病気の一つです。現在ではフィラリアの理…

本間獣医科病院 / 620 view

小型犬は要注意!犬の怪我、実は家の中でが一番多いんです

犬が怪我をするのはどんな場所が多いと思いますか?実は家の中での怪我が案外多いのです。特に小型犬は、家の中で大…

cezannee / 1691 view

あなたの愛犬は大丈夫?暖かくなってきたらフロントラインプラスで予防を

春先に入って気温が上昇してくると、ノミやマダニの活動が活発になります。散歩中など日常の生活の中で犬に付着して…

Chriee / 1529 view

川や湖での愛犬との水遊びで健康トラブルを起こさない!さまざまな注意事項や予防策とは

暖かくなると川辺でのバーベキューや湖へのキャンプなど、水に触れるレジャーも増えますね!愛犬が健康トラブルを起…

Chriee / 699 view

完治しないと言われている犬のてんかん、その症状とは?

犬にもてんかんを発症するコがいます。完治はしないと言われており、飼い主のケアが必要になってきます。てんかんの…

Chriee / 1179 view

シニア犬の歯石と口臭大丈夫?歯みがきが苦手な愛犬に効果的なグッズまとめ

7歳を過ぎてくると、やっぱり歯石や口臭が気になりやすくなります。歯みがきが苦手な犬でも使いやすい、口臭や歯石…

Chriee / 2631 view

犬も糖尿病になる⁈生活習慣病からワンちゃんを守る、健康的な食事とは?

犬も糖尿病になるのでしょうか?生活環境やフードも人間並みに豊かになっている反面、肥満気味の犬や生活習慣病も心…

Chriee / 727 view

蚊が媒介する犬の病気、フィラリア症。その怖さと予防について。

田んぼや水辺の多い日本では、蚊も多く発生します。そのため、犬には昔からフィラリア症という病気が蔓延していまし…

adelee / 1581 view

獣医師が解説「犬の軟便」:病院へ連れていく見極めが難しい!考えられる原因と対処法につ…

いつもと違って柔らかい便をしている、すぐに健康なうんちをするようになればいいですが、続くと心配ですね。軟便が…

本間獣医科病院 / 1433 view

獣医師が解説「犬の脳炎」:原因不明の難しい病気!気になる症状をみつけたらすぐ病院へ

脳炎をご存じですか?脳炎はどの年齢の犬にもおこりえる難しい病気です。飼い主として出来ることについて考えてみま…

本間獣医科病院 / 3808 view

獣医師が解説「白内障」:進行すると失明することも!その予防と治療とは?

目はわんちゃんと私達がコミュニケーションを取る上でとても大切な器官です。そのため、どんな目の異常でも見逃さず…

本間獣医科病院 / 1717 view

関連するキーワード