腸閉塞

何らかの原因で腸がつまってしまい食べものが流れなくなった状態です。ワンちゃんでは、食べ物でない異物を食べてしまったことが原因になる腸閉塞が最も多い原因になっています。室内飼育の小型犬の増加に伴い、この病気も増える傾向にあります。

腸閉塞の原因は?

腸閉塞の原因にはいろいろあります。しかし、ワンちゃんでは、異物によるものが群を抜いて多いです。タオル、ペットシーツ、ボール、ビニールや果物の種、石、木片などの消化のできないものを摂取してしまい、胃は通過したけれども、腸のどこかに詰まってしまう、これが腸閉塞です。異物による閉塞は、比較的若いわんちゃんに多くみられます。コラムを読まれている方の中にも、ヒヤッとした瞬間を経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一方、病気が引き金になって腸閉塞を起こす場合もあります。仔犬でよくみられる腸重積です。生後半年未満の仔犬がパルボウイルス、ジステンパーウイルス、寄生虫が原因で激しい下痢をしたり、駆虫薬を大量に投与された場合に起きます。

こんなわんちゃんは気を付けて!

わんちゃんはとても好奇心が強い動物です。気になったものはまず匂いをかいで、ヒトの乳幼児と同じように口に入れてそれが何なのかを確かめます。しかし、なかには、口に入れたもので遊び、そのまま食べ物のように飲み込んでしまうわんちゃんもいます。また、食いしん坊のわんちゃんは、ゴミ箱をあさってイタズラをすることもあります。こういったイタズラは、飼い主さんの留守中や少し目を離した隙にしてしまうことが多いものです。もし、外出先から帰って、部屋にイタズラの跡がある場合、在宅時でも、ふとわんちゃんをみたら口をモグモグさせている…などの様子がある場合には要注意です。

気になる症状は?

ワンちゃんの腸は体長のおよそ6倍の長さであると言われています。それゆえ、腸閉塞による症状は、腸が詰まっている場所と、詰まっている程度によって異なります。
閉塞が軽い場合では、食欲不振やたまに嘔吐をする程度です。一方、完全に詰まってしまうと、食べ物が全く流れないため、腸が膨れてゴムのように伸びてしまいます。すると血液の流れも悪くなり、そのせいで強い痛みと激しい嘔吐が起こります。嘔吐は胃に近い腸であるほど激しく、胃から遠くなると嘔吐はみられなくなることもあります。腸の動きが悪くなったり止まったりすると、悪いガスが湧いてしまい、そのガスのせいでわんちゃんは衰弱してしまいます。

予防と対策

室内でワンちゃんを飼っている方は、何か落ちていれば食べてしまう!と思って下さい。特に前科のあるわんちゃんは必ずまた繰り返します。
イタズラされたり、食べてしまったら危険なものは、わんちゃんの目の届かないところに片付けるようにしましょう。これは、腸閉塞の予防だけではなく、中毒を起こすものや化学薬品の摂取による事故の防止にもつながります。
また、わんちゃんがイタズラ食いをしている時、大きな声を出してやめさせようとしないで下さいね。こちらが焦って大きな声を出すと、わんちゃんにも慌てて口の中のものを飲み込んでしまいます。焦る気持ちを抑え、静かにイタズラをやめさせるようにしましょう。どうしてもイタズラが防げない場合には、サークルに入れて置くことも事故防止につながります。

まとめ

病気が原因の場合を除いて、腸閉塞は私たちの注意1つで防ぐことができます。腸が詰まってしまうと、手術で異物を取り除かなければなりません。腸の状態が悪ければ、腸を切る必要もあります。運が悪ければ命を落とすこともあります。 コラムを読んではっと思われた方、まだ間に合いますよ!大切なかわいい家族を守るためにも、そこに置いてあるスーパーのビニール袋、片付けましょう!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連する記事

海苔などにも要因がある犬の結石。症状と飼い主ができるその予防法まとめ

海苔に含まれるあるものは犬の結石の原因にもなるんです。犬の結石の症状と、食べ物や飲料水の与え方など、普段から…

Chriee / 1548 view

獣医師が解説「犬の避妊手術」:適齢期は?手術時間やメリット・デメリットについて

女の子のワンちゃんを飼われている方の多くは避妊手術をするかどうか一度は悩まれると思います。ここでは避妊手術に…

本間獣医科病院 / 1634 view

愛犬の歯周病の予防はどうすればいいの?かかってしまった時の治療法は??

歯みがきが苦手な犬は歯周病にかかる率が高くなりがちです。特に3歳以降は発症する率は年々上がってきます。毎日で…

Chriee / 2158 view

獣医師が解説「犬とステロイド」:薬や作用?犬に処方されるのはどんな時?

犬へのステロイドの使用について考えてみました。

本間獣医科病院 / 7924 view

獣医師が解説「犬の脳腫瘍」:種類や検査方法、治療について

現在では犬の高齢化もあることから脳腫瘍は珍しくなく、MRIなどの画像診断を用いることで犬の脳腫瘍の診断が可能…

本間獣医科病院 / 2211 view

獣医師が解説「骨折」:骨折かも・・・と思ったらどうすればいい?予防や症状は?

骨折とは何らかの力によって骨の構造の連続性の一部、または全部が絶たれた状態です。近年は、室内飼育のわんちゃん…

本間獣医科病院 / 2177 view

健康状態はこの部位でわかる?病気知らずの犬の特徴とは?

犬は普段見るだけで健康状態が分かる部位が多いものです。特にこの条件の犬は病気知らずと言われていることが多いも…

Chriee / 1611 view

犬にもうつ病があるのをご存知ですか!?そのサインと症状、ケアの一例をご紹介!

愛犬を苦しめてしまう病気の中に、うつ病があります。通常の病気やケガと違い、症状が目に見えないので、つい見逃し…

Chriee / 2460 view

アレルギー体質の犬はご注意!ワクチンに気をつけることや食べ物の選び方は?

アレルギー体質の犬のケアにはいろいろ気を使う必要があります。普段から気をつけたいアレルギー体質の犬の食べ物の…

Chriee / 1254 view

そのシャンプー大丈夫?犬の健康に影響するシャンプーの注意点とは

シャンプーを自宅でする飼い主さんは要注意!シャンプーの仕方によっては愛犬の健康トラブルを起すこともあるんです…

Chriee / 1353 view

愛犬の健康管理に!餌と一緒に与えたいサプリメント

愛犬の気になる健康にサプリメントを取り入れてみませんか?餌に混ぜたりふりかけたり、餌と一緒に与えたいいろいろ…

Chriee / 1638 view

知っておきたい、夏に多い犬の病気とトラブルの予防と応急処置

夏は発汗による体温調節が出来ない犬にとっては苦手な季節。人間以上に熱中症や夏バテにかかりやすい上、皮膚病や怪…

cezannee / 2208 view

関連するキーワード