糖尿病

糖尿病は膵臓から分泌されるインシュリンというホルモンが不足したり、うまく働かなかったりすることで起こります。私たち、ヒトでは成人病とされ、多くの人が糖尿病にかかっていますが、わんちゃんにも珍しい病気ではありません。今回は、私たちにとって身近な病気の糖尿病。わんちゃんではどんな病気なのかについてお話ししたいと思います。

インシュリンって?

膵臓から分泌される、血糖値を下げるための唯一のホルモンです。インシュリンの作用が不足すると、エネルギー源の糖質がうまく利用できなくなり、血液中の糖が増えて、高血糖になります。

糖尿病の原因は?

膵臓からの、インシュリンの分泌が不足してしまう、また、インシュリンは足りていても、うまく働かないような因子が存在すること、が主な原因です。発症には、遺伝的な素因、肥満、運動不足、感染、血糖値をあげてしまう病気の存在などの環境因子が複雑に絡んでいます。
血糖値を上げてしまう病気の一つに、クッシング症候群という病気があります。これは、中高齢のわんちゃんに比較的多い病気です。クッシング症候群が原因となっている糖尿病は重度なものが多く、コントロールが難しくなります。

どんなわんちゃんがなりやすいの?

好発年齢は、7~10歳頃です。だいたい、中高齢に当たる年齢ですね。どんな犬種にも発生しますが、避妊手術を終えた雌犬に多いとの報告があります。

気になる症状は?

一般的にみられる症状は、
●肥満
●多食
●水を飲む量が多く、オシッコが多い
です。症状の進行につれ
●痩せてくる
●食欲不振
●嘔吐
●ぐったりする
となります。
『オシッコが多い』ことに気付き病院に来られる患者さんが多いです。オシッコが増える疾患には、糖尿病の他、腎不全の初期、尿崩症、クッシング症候群などもありますが、血液検査をすれば診断がつきます。心配な方は動物病院で検査をしてもらって下さいね。

恐い合併症

糖尿病の恐いところは、全身、様々なところに起こる合併症です。糖尿病は血管の病気だからです。主な合併症をご紹介しておきます。
●糖尿病性白内障
●糖尿病性網膜症
●糖尿病性腎症
●抹消性神経障害
体の細い血管が詰まってしまうことが原因です。わんちゃんの糖尿病でも、私たちと同じように合併症があります。

治療は?そして予防は?

治療はヒトと同じで、糖尿病用の処方食を用いた食餌療法に並行して、インシュリンを注射で補うことになります。ご自宅でインシュリンを注射するのは飼い主のみなさんです!やはり、糖尿病になってからではいろいろな制限も出て、コントロールも困難になります。できる予防は大切です!
予防は、体重管理になります。私たちと同様に、やはり、肥満は大敵です。特に避妊、去勢手術を終えたわんちゃんは脂肪がつきやすく、肥満になりやすいので、日頃から処方食と運動でコントロールしてあげるとよいですね。

まとめ

身近な病気、糖尿病についてお話ししてきましたが、どんなものか分かってもらえたでしょうか?わんちゃんの糖尿病は遺伝的な原因も含まれますが、生活習慣病である場合もあります。異変に気付いたら動物病院へいきましょう。また、これを機会に家族みんなの生活習慣も見直してみませんか?

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