白内障

目はわんちゃんと私達がコミュニケーションを取る上でとても大切な器官です。そのため、どんな目の異常でも見逃さずに見つけてあげることが大切です。今回は、目のレンズである水晶体という部分が濁ってしまい、視力の低下や視力の喪失を招く白内障についてお話ししたいと思います。

白内障ってどんな病気?

目のレンズの役割をしている水晶体が濁る病気です。水晶体が濁ると光の通過が妨げられます。病気が進むほど濁りが強くなって、視力に影響が出ます。初期では視力には影響が出ませんが、進行すると失明することもあります。

白内障になりやすいわんちゃんは?

わんちゃんの白内障には遺伝的な素因があると言われていて、プードル、アメリカン・コッカー・スパニエル、ミニチュア・シュナウザー、ボストン・テリア、ビション・フリーゼなどが好発犬種です。しかし、7~15歳の雑種犬の20%弱程度に白内障がみられるとの報告もあります。

どんな症状が出るの?

白内障は広く知られた病気であること、また、わんちゃんの状態を良く観察してみえる飼い主さんが多いということもあり、視力に影響が出る前に、眼が濁っているということに気付いて動物病院に来られる方が多いです。しかし、眼の濁りは、水晶体だけが原因となっているわけではありません。例えば、眼の表面の角膜に問題があっても白く見えることがありますので、白内障かどうかについては動物病院の先生に診察してもらいましょうね。また、糖尿病の合併症として白内障になることもあります。この場合には糖尿病の症状(よく水を飲む、尿量が多いなど)が出ます。
白内障は進行すると、視力に影響が出て、失明してしまうこともあります。そんな場合には、初めて行く場所で動かない、物にぶつかるなどの症状が出ます。しかし、白内障での視力が低下は徐々に進行しますので、慣れた環境での生活ではそれほど差し支えがないこともあります。また、進行すると、眼の内部に炎症が起こったり、緑内障を併発することもあります。しかし、すべての白内障が進行するとは限らず、視力に影響が出ないこともあります。

どんな治療をするの?

初期段階で、進行しない白内障は治療せず、経過を観察します。点眼薬も使いますが、白内障の進行を抑える目的です。残念ながら、一度濁ってしまった水晶体の濁りを取ることはできませんので、視力を失う可能性がある場合には濁った水晶体を取り除く手術が適応となりますが、白内障の手術は眼科を専門にしている先生に診てもらうことが必要になります。

予防できるの?

糖尿病では高率で白内障が合併症になる可能性がありますので、糖尿病の予防は白内障の予防につながります。遺伝的な原因のものや、老齢性のものは残念ながら、予防法はありませんが、進行を遅らせるための点眼薬がわんちゃん用に処方されています。

まとめ

白内障は私達にも多く、ご存知の方も多い病気だと思います。また眼の濁りが主な症状なので、気付きやすいですね。眼の濁りは水晶体が原因となっているかどうかは自己判断せず、動物病院でちゃんと診察を受けるようにしましょう。早期発見、早期治療で視力を保てる可能性はあります。コミュニケーションに大切な目です。飼い主さんの目でわんちゃんの眼を守ってあげてくださいね。

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