膿皮症とは?

皮膚の細菌に感染して化膿してしまう病変を膿皮症といいます。軽いものでは自然に治りますが、皮膚の弱いわんちゃんや治療が適切でない場合には、炎症が悪化してしまうことがあります。日本の高温多湿の気候は、細菌が増えやすい環境であると言え、特に夏場を中心にこの病気は増えます。わんちゃんを飼われている方は、この病気を経験された方も多いのではないでしょうか。今回は、家庭犬に身近な病気である、膿皮症についてお話を進めたいと思います。

膿皮症の原因は?

通常、私たちの皮膚もワンちゃんたちの皮膚も細菌が全くいない状態ではなく、様々な細菌と共存している状態なんです。健康な皮膚では、皮膚のバリア機能がしっかりしているので細菌が悪さをすることはありません。

しかし、皮膚のバリア機能がしっかりしていない場合や、細菌がすごく増えやすい環境にあると、皮膚が細菌に負けてしまったり、細菌が悪さをしてしまったりします。

この状態が皮膚の化膿した状態、つまり膿皮症です。膿皮症の原因になる細菌は決して強いものではありませんが、皮膚の状態や環境のせいで悪さをしてしまうようになるのです。

どんなわんちゃんにかかりやすい?

アトピーやアレルギーを持っているワわんちゃんは、皮膚が弱いので膿皮症にかかりやすい傾向があります。アトピーやアレルギーを持っていなくても、脂っぽい皮膚であったり、生まれつき皮膚が弱い場合には膿皮症になってしまいます。

また、ブルドックやペキニーズ、パグなど鼻の周りに深いひだを持つ種類では、ひだの部分に膿皮症が発生しやすく、結膜炎も併発することが多いです。

どんな環境が膿皮症になりやすいの?

日本の高温多湿な夏場の環境は細菌ににとって絶好の環境だと言えます。また非衛生的な環境もよくありません。

このようにわんちゃん側の要因と、環境要因とが重なって、膿皮症になってしまうのです。また、肌に合わないシャンプーを使うことで膿皮症を引き起こすこともあります。

どんな症状がでるの?

●赤い発疹ができて痒がる
●発疹ができた部分の毛が抜けてかさぶたができる
●かさぶたが剥がれて、黒っぽくなる
●黒っぽい皮膚が治り毛が生えてくる

膿皮症が発症してから治るまでの過程を示しました。発症してから完全に治るまで、大体2~3週間はかかります。気づかないうちにいつの間にか治ってしまっている、ということもあると思いますが、治りかけてはまた他の場所に新たに膿皮症ができてしまうわんちゃんも多いのではないでしょうか。

どんな治療が必要?

体質がからんでいると、繰り返してなかなか治らないものです。そういった場合には治療が必要になります。

●適切な抗生物質を十分な期間きちんと飲ませる
●適切な薬用シャンプーで洗う
●適切な消毒剤を使って消毒する

以上が要になります。特に、抗生物質を使う場合は、主治医の指示をよく守って、完治するまできちんと飲ませることが大切になります。痒みや皮膚の赤みが無くなってきたからといって、飼い主さんの判断でお薬を途中で止めてしまうと、すぐに再発してしまうどころか、お薬が効かなくなってしまう場合もあるので気をつけたいですね。

自宅でできる対策はあるの?

アトピーアレルギーを持ったわんちゃん、日ごろから、皮膚が弱いなぁと感じられるわんちゃんは、特に室内環境に気をつけてあげて下さい。少し暑くなったらエアコンをかけたり、こまめにシャンプーするなどしてあげると良いでしょう。またサマーカットをして被毛を短くカットしてもらうこともお勧めです。
顔にシワのあるわんちゃんは、シワの間を清潔に保ってあげることも大切ですね。ごはんの後やお散歩のあとに蒸しタオルなどで拭いてあげるとわんちゃんもさっぱりして気持ちが良いとと思いますよ。

まとめ

膿皮症についてご理解いただけたでしょうか。膿皮症はどんなわんちゃんにもかかる可能性があります。深刻な病気ではありませんが、一度こじらせるとなかなかやっかいです。皮膚に異変を感じたら、主治医の先生の指示に従って適切な処置をしましょうね。

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