雌猫の避妊手術について。

雌猫を飼うにあたって、考えなければならないのが避妊手術。猫ちゃんは一度に複数の子猫を産むのが普通ですので、気をつけないとあっという間に増えてしまいます。そこで、とられる手段が避妊手術ですが、やはりメリットとデメリットがあります。

雌猫の発情ってどんな感じ?

雌の猫ちゃんは、生後6ヶ月程度で妊娠可能な状態に成熟し、「発情」が始まります。悩ましげに鳴いたり、お尻を高く上げるポーズをひっきりなしにとるようになります。当然のように、雄猫が寄ってきます。これが年に2~3回ほど、10~14日間程度続きます。季節に関係なく年に何度も繰り返し発情する子もいます。

メスが性的に成熟して繁殖能力を持ち、交尾を容認するようになる状態を発情といいます。ネコは一般的に生後6ヶ月~12ヶ月で初めての発情を迎えます。性成熟の時期はネコ種によって異なるとも言われており、ペルシャのように1年~1年6ヶ月くらいになるまで発情を迎えない種類もいます。個体差はありますが、発情は1年に3~4回程度繰り返すことが多いようです。
ネコの場合は犬とは異なり陰部からの出血はありません。発情を迎えると大きな特有の鳴き声(人間の赤ちゃんのような鳴き声)で鳴いて体をゴロゴロと人や物に擦りつけたり(ラビングといいます)、腰のあたりを触るとお尻を持ち上げるような動作をするようになります。また、発情期間中(4~10日間程度)は外に出たがったりすることもあるので注意が必要です。

避妊手術をすすめる理由

雌猫の発情期の行動を煩わしいと思う人も多くいます。また、猫は交尾した刺激によって排卵が促されるのですが、その刺激および排卵がないとなかなか発情を終わらせることもできない動物でもあるので、赤ちゃんを産ませることを考えないのであれば、避妊手術をせずにいることは、むしろ猫にとってもストレスになるのです。

人間には性欲があると思いますが、猫ちゃんにも当然あります。
しかし、猫ちゃんの性欲は、快楽ではなく種の保存であり、
行為自体は、女の子にとって苦痛でしかありません。

*猫ちゃんは人間のように定期的に排卵があるわけではありません。
妊娠がしやすいように、男の子のちんちんには無数のトゲがついており、
行為の際に排卵を促す仕組みになっています。
そのため、行為はとても痛く、女の子にとって苦痛なことです。

それでも子供を残さなくてはならないという本能が働くわけですから、
その本能は人間が想像する以上に凄まじいものと思います。

避妊手術とはどのような手術なのでしょうか?

人間と同じように、猫にもお腹の中に、卵巣と子宮があります。全身麻酔をかけた上でお腹を開いて、卵巣だけ、もしくは卵巣と子宮両方を摘出する手術が一般的です。手術の時間としては、1時間程度。病院に1泊入院するか、日帰りできる場合もあります。

メス猫の避妊手術は、全身麻酔をして、左右の卵巣と、そこからつながる子宮角、子宮体部と膀胱の背側に位置する子宮頸管部までを摘出する手術です。オスの去勢手術と異なり、メスの場合は全身麻酔をして、お腹の中を開けるわけですから、獣医師としては、手術前に、全身の身体検査はもちろん、全般的な血液検査、尿検査、猫白血病、猫エイズ検査を受けていただきたいと考えています。

お腹を開けてまで避妊手術をするメリットって?

まず第一には、望まれない妊娠と子猫の増加を防げること。そして、年に何度も繰り返される発情の煩わしさから人間も猫も開放されることですが、そのほかにも、卵巣や子宮は病気が起こりやすい器官でもあるので、その病気にかからなくなり、また、乳腺腫瘍にもかかりにくくなるというメリットもあります。

●さかりの大きな声をださなくなる
●子宮蓄膿症、卵巣腫瘍、乳腺腫瘍の予防になる
●子猫ちゃんの時の愛らしいお顔が残る
●子猫ちゃんの時の愛らしい性格が残る

さかりのついた猫ちゃんは、想像以上にうるさく、人間にとって大変です。
さかりがついて手に負えなく捨ててしまう人も絶えません。

つがいで飼育していたり、プロの繁殖をされている方は別ですが、
単体で飼っている方は相当の覚悟がなければ去勢・避妊をしましょう。
去勢・避妊をすると猫ちゃんは小さい頃のままの性格で飼いやすく、大人しくなるといいます。

避妊手術にデメリットはありますか?

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