愛犬のいらいらと病気を防ぐために

犬を放し飼いにしていた昔と違い、室内飼いやつなぎ飼いが一般化した現在では気がついたら雌犬が妊娠して出産していたというようなことは減ってきました。それでも雌犬の避妊手術はともかく、雄犬の去勢手術までは必要なのでしょうか? また、去勢後のリスクについても考えてみたいと思います。

去勢手術とは何でしょうか?

雄犬の去勢手術とは、ひとことでいえば、精巣を摘出する手術です。全身麻酔をした後に、両足の間にある精巣を、お腹の方へ押し出して摘出するため、傷口はお腹にできることが多いかと思いますが、開腹しているわけではありません。ただし、精巣が正規の位置にできず、お腹の中にある場合(停留睾丸)は開腹が必要です。

去勢手術は、全身麻酔をかけて陰嚢(タマタマの袋)の近くを少し切開し、精巣(タマタマ)を取るのが一般的です。
日帰りまたは1泊入院で済むのが大半です。

しかし、停留精巣(停留睾丸・陰睾丸)のように、精巣の片方あるいは両方が陰嚢内に判別できないときは開腹手術になります。
睾丸が腹腔内や鼠径部にある場合など、見つけられないこともあります。
停留睾丸は正常な場合に比べて腫瘍発生率が高くなるといます。
また、停留睾丸は遺伝性疾患と考えられますので、繁殖には用いないとされています。

痛い思いをしてまで去勢をするメリットって?

精巣がなくなることで、まず、雌犬の発情に反応しなくなるので、発情に伴う愛犬のイライラがなくなります。それに伴い、個体差はありますが、遠吠え、腰振り、足をあげて頻繁におしっこをするマーキングなども軽減します。また、年齢が高くなると頻発する精巣の病気にかからなくなります。

オス犬には発情期はなく、オス犬自身から発情することはありません。
発情中のメス犬の匂いで誘われ、メス犬がOKならばオスはいつでも交尾可能です。
つまり、犬の性行動はメス犬主導で、オス犬は常に受け身なのです。

発情したメス犬の匂いは2キロ四方に届くといわれています。
オス犬が生殖能力が完成するのは生後1年くらいです。
メス犬の匂いをキャッチしたオスは悩ましく遠吠えを繰り返したり、脱走してメス犬に近づこうとしたり、近所のオスと喧嘩をしたりすることがあります。
メス犬が必死で子孫を残そうとするのと同じように、オス犬も必死になって自分の子孫を残そうとします。
これも性ホルモン分泌に影響を及ぼし、精巣や前立腺の病気の一因になります。
交配させる予定がない、将来の病気を防ぎたい、おだやかに過ごさせたい、そう思うなら去勢手術を考えてみてください。

手術のデメリットはありますか?

まず、麻酔を使う手術になりますので、手術そのものの危険性は否定できません。無事に手術が済んでも、傷口を舐めないようにしたり、化膿予防のための薬を飲ませたりと手間は少し増えます。また、肥満しないように今まで以上に気を配る必要があります。ホルモンバランスの変化のため、太りやすくなる場合が非常に多いです。

避妊・去勢手術をすると、太りやすくなるというデメリットがあります。

しかし、肥満に対しては、エネルギー摂取量を控えて適度な運動をすることで対応することができます。

避妊手術や去勢手術は元気な体にメスを入れるということで、抵抗を感じられる方もいるでしょうが、例えば避妊手術をしなかったワンちゃんが高齢になってから子宮蓄膿症になって手術をすることになった場合、その手術のリスクは避妊手術のリスクよりはるかに高くなります。

いつ頃去勢手術をすればいいのでしょうか?

現在最適とされるのは、体がある程度成熟するけれども生殖能力は完成する前の生後6ヶ月ごろということになっています。ただ、時期を逃したとしても、するにこしたことはありません。高年齢になってから、精巣が腫瘍化したりした場合に行われる去勢手術は、同じ手技でもリスクはずっと高くなります。

オスの去勢手術のタイミングも、生殖能力が完成する前、生後6ヶ月をメドに行うのがベストとされています。これも理由としては、メスの発情に誘われることなくオスの機能を除去してしまえば生殖に関する多大なストレスにさらされることなく、また、問題行動を起こすことなく一生を送れるだろうという観点から、ベストのタイミングとされているようです。
  去勢の手術は、全身麻酔で行われます。オスは精巣と精巣上体が納まっている睾丸を摘出します。包皮と陰嚢の間の正中線の上を1~1.5cmほど切開し、ここから摘出するのです。手術は1時間前後、日帰りから1泊のスケジュールで行われます。

いかがでしたか?

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